爺やの独り言(その1) サブタイトル:「今後の医療IT業界の動向とビジネス」 2004.10.14 上梓
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| 1.医療ITにおける現状の分析 | |
| 21世紀を前後して、医療IT業界において特に電子カルテは、今後を左右する大きなキーワードとなっている。国は2006年を大きなターニングポイント(電子カルテの導入率60%等)と位置づけ、補助金を出し導入推進してきた。2002年末には(財)医療情報システム開発センター(MEDIS-DC)が全国の病院・診療所にアンケートを取り、電子カルテの導入に関しての意識調査をした。 その結果、病院は7割・診療所は2.5割が導入済若しくは計画中であり、病院の導入のほうが非常に高かった。これは、病院は事務効率化を図らなければ生き残りが難しい現状があり、当時国庫補助もあったことからであると想定される。 一方、診療所は診療報酬の改定はあるも、自己裁量の範囲で当面の利益確保が可能である事・購入薬剤等で苦心してきたことがあからさまになる事への危惧・現状のレセコンだけで十分なのに敢えて高価な電子カルテを導入しても大きなメリットが無い 等あり、ドクター自身の保身を考え導入見送りなったものと想定される。 |
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| (1)ORCAを含めたレセコン | |
| ・ORCAは当時鳴り物入りで医師会主導のレセコンとして一昨年よりリリーズ開始したが、結果として1000台にも及ばず、日本医師会内部では運営面から大きな問題となりつつある。これは、ORCA自身の機能面での不十分さとサポート会社の質・量の不足、価格面で既存メーカレセコンと大差ないことが原因である。先般行われた長崎での医師会セッションでも問題提起がなされ、これらから地域医師会が、ORCA離れを加速している。 | |
| ・メーカレセコンは、電子カルテが発売される以前は全体的には70%程度が医療施設(全国で80,000施設)に導入されており、電子カルテに置き換わりはしつつも依然としてシェアは高い。 |
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| (2)診療所向け電子カルテ | |
| ・2002年現在では、全体(90,000件)の2%の導入率であり、現時点での公表された数字はないが、3〜4%と見るのが妥当と考える。これは、先に話したが、診療所では大きなメリットが見込めない現状下で、人員の削減効果も出ずに高額のカルテ導入は負担が大きいことからである。 | |
| ・現時点で導入するドクターは、殆どが病院勤務の経験のある先生方の新規開業であり、既開院の場合は、人手を要する若しくは機器設備がある整形外科等が多数導入している。逆に診療所の多数を占める内科は、運営規模が少人数であり、顧客サービス面での理由がある場合に導入となっている。 |
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| (3)病院向け電子カルテ | |
| ・病院の場合は、診療所とは大きく違いスケールメリットが出せる所であり、国庫補助も可能である事から10%強の導入率と想定される。 | |
| ・2004年から国立の大病院が独立行政法人化へ移行、病院機能評価機構も充実してきており、導入せざるを得ない状況となっていることは否めない。 |
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| (4) 地域連携 | |
| ・2000年頃から2002年にかけ、電子カルテを利用した地域連携の国家プロジェクトがいくつも作られてきたが、導入当初の費用は国家持ちであるが、運用段階となると当然利益者負担となる。其のことから、運営がままならないプロジェクトが頻発し、殆どが頓挫若しくは中止に追い込まれている。 | |
| ・ご多分にもれず、この分野では先頭を走っていた京都府のF医師会も、運営費用の捻出や支援体制の確保が出来ずに中断している。 | |
| ・中核となる技術要素としてMMLがあるが、現時点では取り一時に扱える情報量が少なく実験段階で、実用化には周辺技術の改善・改良が必要である。但し、今後各種医療システムの連携には標準化した手順が必要であり、MMLの今後に注目したい。 |
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| 2.今後の医療IT業界はどうなるか | |
| 今後の医療業界全体としては、少子高齢化に伴い介護医療は伸張し、通常の診療・検査行為は減衰傾向にある。其のことから、医療の一端を担う衛生検査所は、今後生き残りを掛けての修羅場に突入する。 当面は、国立病院の独立法人化にともなう検査室の外注化で活況を呈しているように見えるが、当面の凌ぎでしか過ぎない。 また、本題であるIT業界はどの方向に向かって行くかは、取り分け電子カルテに注目すると、次に挙げるように大きなポイントが何点かあると思われる。 他の周辺システムは、これに追従する形で進行してゆくのだろうと思われる。 |
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| (1)医療IT全体の方向性としては、 | |
| ・電子カルテは、国の後押しがあり・経営合理化や品質向上を図らざるを得ない病院で大きく普及する。医療過誤の防止面やPDCからも取り組まざるを得ない状況である。病院向け電子カルテシステムの廉価版が最近になり多数(NEC、アピウス等 50〜70万円/床)出ており、普及に加速がつきそうである。今まで経費面から難色を示したいた中小の病院についても、大病院の動きに注視しており、変化が出てくると予測される。 | |
| ・診療所はIT加算などが診療報酬で考慮されなければ、現状のままで推移する。対応しているベンダーは、数をこなさない限りこのビジネスの維持運営が出来なくなりつつある。 臨床検査業のBML社は、保守費用が増えてやっと事業としての目処が立ったが、拡大すればそれだけ対応する業務(費用)拡大が必須であり、上記の事が行われない限り体力が無い会社は淘汰される。 | |
| ・地域連携は、実施にあたってはデータセンターが必須であり、其の運用・運営母体の費用負担が解決されなければ普及しない。特に、弱腰の国や行政・医師会が積極的に取り組んでおらず、各所に点在する大手病院が患者の囲い込み(利潤追求)を狙い独自に展開している状況下で普及はしないと思われる。 |
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| (2)取り巻く環境面からは、 | |
| ・個人情報保護法が来年から施行されること、 | |
| ・生活習慣病・癌・妊娠反応等の検査がキット化され、病院へ行かずに個人での検査が日常化しつつあること | |
| ・かかりつけ医に行ってもいつも同じ様に「元気でやっていますか。」で、殆ど詳細の検査は行われず問診と血圧測定・聴診器測定程度で終わっており、患者の知りたい部分が無視された状態であること、費用対効果に不満が募っている | |
| ・先日、携帯電話に大容量のHDD搭載が可能となったこと、 | |
| ・セカンドピニオン制度導入、 | |
から、従来の医療施設から個人への医療行為の提供から、個人から医療施設に働きかけや施設の選択へと変わりつつあると思われる。 |
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